那覇空港から車で実に2時間17分。沖縄本島北部にある無人売店です。令和にこのような商店が存在するとは本当に驚きです。普段は商店内に人がいませんが、レジも帳簿もあります。果たしてどのような販売システムなのでしょうか?
ポイント1: 沖縄本島最北端の無人売店!『伊部売店』のロケーションは?
かつては沖縄や奄美の全土にあった共同売店。
今のようにコンビニなどが進出する前、地域の人がお金を出し合って「共同運営」していたのが共同売店ですが、今は那覇の外れや今帰仁村の一部、そして沖縄本島北部に数店があるだけとなってしまいました。
『伊部売店』は沖縄本島北部、国頭村のしかも東海岸にある最北端の売店です。正式には共同売店時代の最後のオーナーが買い取って運営されているので、個人商店となりますが、今も古き良き共同売店のスタイルを保っておられます。
那覇空港からは実に沖縄自動車道を経由しても、車で2時間17分。
バスの場合は沖縄沖縄エアポートシャトルOAS/RSL-RPでまず名護市役所前まで行き、そこから徒歩8分のところにある琉球バス61番で「辺土名」下車。さらにそこから徒歩1分のところにある国頭村営バス東線に乗り換え「安田(アダ)」下車。徒歩29分となります。
実にバスだと最短ルートを見積もっても4時間半の所要時間がかかる、最果ての地となります。
ポイント2:『伊部売店』で買い物する、そのシステムとは?!
『伊部売店』の引き戸のドアはいつも開け放たれています。入ってすぐにカウンターがあり、その横にレジもあります。どうやらここでお客さんの相手をする場所のようです。そしてカウンターの上には売上帳簿らしきものが!
カウンタ横に木製の格子戸?があるので、お客さんはそれをあけて中に入るシステムのようです。
整然と商品が並んでおり、ついつい手にとってレジに運びそうになりますが、買い物カゴもなけばレジに人もいません。「スイーツ専門無人販売所 那覇店」のように、Paypayやクレジットカードで決済するシステムなのかな?と思ったらそれらしい機械もありません。
では、どうやって商品を買うのでしょうか?

外観を見回すと、なにやらインターホンらしきものがあるのに気づきます。
いやインターホンというより「呼び鈴」と呼んだほうがしっくりくるかも知れません。
その「呼び鈴」を押すと、横の家に住んでいるおばあが返答してくれて、店に来てくれるというシステムになっています。しかも、足がお悪いらしく、ゆっくりでないと歩けないため、多少客側も忍耐を要します。
本来のシステムはお客さんは格子戸で中に入るも、勝手に商品を手に取ったりせず、おばあが来てから「指差し」で商品を取ってもらうようです。
これはまさしく、「高輪ゲートウエイ駅」内にある、商品をスキャンもしなくていい、Suicaやクレカをかざすだけで決済される、超最先端の無人コンビニの対極です。令和の世の中にまだこのような無人商店があったとは!
しかもおばあが忙しくて店に来れないときもあり、その時は、レジの横に「売上帳簿」があり、お客さんが買ったものを記入し、そこに代金を置いていってもいいシステムになっているのだとか!ご丁寧に商品と値段を書いた表まであるけど、お釣りが必要な時はどうするんでしょうね?!
この集落は人口が10人ほどで、盗んだりお金をごまかしたりする人はいないんだそう。
こうしてネットで拡散されることにより、外部の人の来店が多くなってきたらそうも言っていられなくなるのでは?と心配するのは余計な心配なのでしょうかね。
ポイント3: 生活必需品を販売!『伊部売店』で売られているもの紹介
では『伊部売店』では、いったいどんなものが売られているのでしょうか?
他の共同売店でもそうであるように、まずは子どものお菓子、そして洗剤、シャンプーなどの日用品、そしてカップ麺などの食品、アイスクリームにビール、ジュースなどの飲料。ほぼ最低限の生活必需品ですね。
しかも、アイスクリーム、ビールなどの飲料の冷蔵庫は冷えているけど、その他の冷蔵庫は通電もされていないユルさ!ただの「陳列棚」として機能しているんですね。
生活に必要なまさに「最低限」の商品を置く「伊部売店」は、沖縄本島最北端にある無人売店です。北部でしかも東海岸にあるので、とてーも行きにくい場所ですが、興味があるかたはぜひ足を運んでみてください。おばあの笑顔も絶品です!