那覇空港から車で約20分。島尻郡八重瀬町にある古民家をリノベーションしたかわいいカフェです。沖縄の伝統的な王朝菓子、庶民の間で食べられてきた郷土菓子、どちらも提供している貴重な店。レアなお茶も飲めます。
ポイント1：『koti(コチ）』のロケーションは？
沖縄本島南部、自然と伝統が息づく八重瀬町。その一角に佇む「koti（東風）」は、古民家を改装した趣あるカフェです。瓦屋根と木造の温もりが残る建物は、まるで時を巻き戻したかのように静かで、訪れる人をやさしく迎え入れてくれます。
広い庭には南国特有の植物がゆったりと茂り、縁側から風に揺れる緑を眺めているだけで心がほどけていくよう。
店名の「東風（こち）」は、春を告げる柔らかな風を意味し、その名の通り店内には穏やかな時間が流れています。
さらにBGMには、沖縄のオーディオメーカー「知名オーディオ」の煙突の形のスピーカーが使用され、耳に心地よい音楽が空間を包み込みます。美味しいお菓子やお茶をいただく前に、まずこの雰囲気と空気感そのものを味わうのが、このカフェの特別な楽しみ方といえるでしょう。
また、店内の器にもこだわりがあります。沖縄のやちむん（陶器）を使ってお菓子やお茶が提供されるため、手に取る瞬間から沖縄の工芸の魅力を感じられます。また、ドリンクは美しい琉球グラスに入れて提供されます。
食べること、飲むことに加え、空間全体で文化を体感できるのが「koti（東風）」の大きな魅力です。
那覇空港からは車で約20分。
バスの場合はまず那覇バス117番などで「国場」下車、琉球バス50番に乗り「東風平中学校前」下車、徒歩2分となります。
ポイント2：『koti(コチ）』のお菓子紹介
花ぼうる
「koti（東風）」の魅力は、沖縄の伝統菓子を一度に堪能できることです。ここでは、王族や貴族の宮廷で出されていた華やかな「宮廷菓子」と、庶民が日常で親しんでいた素朴な「民間菓子」の両方を楽しむことができます。
宮廷菓子の中でもひときわ目を引くのが「花ぼうる」です。色鮮やかで繊細な装飾がほどこされ、まるで小さな花が咲いたかのような美しいお菓子。甘さの奥に丁寧な仕事が感じられ、食べる前にしばし眺めてしまうほどの芸術品です。
一方で、庶民のおやつとして親しまれてきたのが、蒸し菓子の「アガラサー」や、薄く焼いた生地をくるくる巻いた「チンビン」、そして「ポーポー」といった素朴な民間菓子。
これらは家庭で作られることはあっても、カフェで提供している場所は少なく、ここ「koti（東風）」ならではの体験といえるでしょう。
蒸したてのアガラサーはふんわりとした食感で、黒糖の自然な甘みが口いっぱいに広がります。チンビンやポーポーは香ばしさともちもち感があり、どこか懐かしい気持ちにさせてくれる味わいです。
さらに時折、店内ではお菓子作りや沖縄料理のワークショップも開催されています。参加者は実際に手を動かしながら、伝統の味を学び、その場で出来立てを楽しむことができます。観光客にとっては旅の思い出に、地元の人にとっては暮らしの延長として、新しい交流の場にもなっています。
ポイント3：『koti(コチ）』のドリンクメニュー紹介
お菓子のお供となるドリンクメニューも、沖縄らしさがしっかりと感じられるラインナップです。まずおすすめなのが、沖縄産の緑茶や紅茶。温暖な気候で育った茶葉は風味豊かで、すっきりとした後味が特徴です。
さんぴん茶（ジャスミンティー）も定番で、華やかな香りが口の中に広がり、甘いお菓子と相性抜群。特に鼻に抜ける香りがたまらないアイスに人気があります。
また地元南風原の織物である「ロートン織」のコースターも美しいです。
さらに紫色の団子が添えられた「沖縄ぜんざい」も人気の一品です。沖縄のぜんざいはかき氷に甘い金時豆を合わせたスタイルで、暑い日には特に嬉しい涼やかな甘味。お菓子と組み合わせて味わうと、沖縄独特の食文化の奥深さを実感できます。
どのドリンクも、やちむんの器で提供されるため、目でも楽しむことができます。カップを手に取るたび、土のぬくもりと工芸の力強さが感じられ、飲む瞬間がいっそう特別なひとときに。
お菓子とお茶の組み合わせを楽しみながら、ゆっくりと時間を忘れて過ごせるのは、このカフェならではの贅沢といえるでしょう。
「koti（東風）」は、ただ甘いものやお茶を楽しむ場所にとどまらず、沖縄の伝統文化、工芸、音楽、自然を丸ごと体験できる特別な古民家カフェです。
庭を眺めながら、やちむんの器でいただく宮廷菓子や民間菓子。そしてこだわりのドリンク。どれもここでしか味わえない、ゆったりとした時間を演出してくれます。
