那覇空港から車で約20分。那覇壺屋のやちむん街の近くにある台湾精進料理のお店です。名物は黒もち米を使った具だくさんのちまき。お肉をガッツリ食べる習慣がある沖縄で精進料理のお店とはかなり珍しいですが、いったいどんなお店なのでしょうか?
ポイント1:台湾素食『金壺食堂』の歴史は?
沖縄に台湾のベジタリアン・フードのお店があるというので、行ってみました。場所はなんとこの前行った那覇の国際通りから7、8分ほど歩いた「壺屋やちむん街」の近く。ハイアット・リージェンシー那覇のすぐ近くですね。
この時はこのお店のことを知る由もなく、思いっきり通過していましたが、この界隈、沖縄そばEIBUNや花笠食堂など、気になるお店が多いですね。
現在の『金壺食堂』の店主さんは2代目、50年ほど前にお母さんが台湾から来日して食堂を始めたのだとか。
「台湾素食」の「素食」とは中華圏では「ベジタリアン」のことです。その通り、名物のちまきをはじめ、このお店で提供される食材は野菜や穀物のみであり、肉や魚などの動物性のものはもちろんのこと、ネギやニラ、ニンニクなどの刺激の強い食材も一切使用されていないのです。
台湾では国民の10%がベジタリアンで、「卍」マークが表示されている店はベジタリアンの店です。これはアジアではインドに次ぐ2位で、もともとは仏教的な思想からはじまって、近代ではさらに動物愛護や健康の面からもベジタリアン志向の人が多くなっているようです。
しかしステーキをはじめ、豚のてびちなど、お肉を大量に消費する沖縄において、このようなベジタリアンのお店はかなり目立つ存在と言えるでしょう。
ポイント2:『金壺食堂』の名物ちまきとはどんなの?
では「金壺食堂」の名物ちまきはどんなものなのでしょうか?
このちまきは黒米のもち米の中に、大豆ミートや大粒パールくらいの大きな豆が入っているもので、その具の多さにはびっくりします。
蒸し器で15分ほど蒸し上げたあと、包んである笹の葉を広げると、笹の葉のいい香りとともにもち米と具のいい匂いが!
黒いビジュアルに少し驚いて箸を入れてみると、想像以上にごろっと出てくる具にまたびっくり!お肉でもない、豆腐でもない不思議な大豆ミートの食感と香ばしい豆の香り、植物性の素材しか使っていないのに、噛みしめるほどに口の中に広がる旨味。もっちもちの黒米と具のハーモニー!
これはやみつきになりそうです。
1個がずっしりと重く具沢山なのに、1個280円という安さにもびっくりします。
朝8時の開店時からちまきの販売をはじめて、午前中にはほぼ確実に売り切れてしまうほどの人気。
心配性の方は事前に予約するか、朝8時の開店時に行くことをおすすめします。
また、通販もしていますが、HPがないため注文は「電話」で。やさしい味のちまき同様、お店の人のやさしさが伝わってきます。また、最近ではTwitterのDMでも注文できるように進化したそうです。
ポイント3:『金壺食堂』の他のメニューは?
では、『金壺食堂』には他にどんなメニューがあるのでしょうか?
名物のちまきの他に「金壺食堂」で提供されているのは朝8時~昼2時までのバイキング(600円)と、お弁当(600円)やアラカルトで春巻き、水餃子、チャーハン(すべて550円)です。メニューは少ないですが、その分味で勝負です!
沖縄に来ると、つい名物をガッツリ食べてしまいがちですが、日常から開放された旅の途中のふとした瞬間に、健康や美容のことを考える機会もあると思います。
1日くらいはこのような「素食」で身体をいたわってあげてはいかがでしょうか?