那覇空港から車でわずか15分。那覇の国際通りから少し入った、牧志公設市場にも近い細い道にある南島製菓。ちんすこうや紅芋パイに隠れた琉球銘菓「こんぺん」は、隠れファンが多く、お土産にしても絶賛されると評判です。
ポイント1:地元ではお盆や法事のお菓子の定番!『南島製菓』の歴史とは?
那覇の国際通り、ホテルコレクティブの横の道を歩いていると、小綺麗な和菓子屋さんを見つけました。気になってあとで調べてみると、「こんぺん」というお菓子が美味しいお菓子やさんでした。
この『南島製菓』は1935年(昭和10年)創業。
創業者の村吉さんは、11才下の弟を小学校に通わせるため、小学校を出ると那覇の菓子店で修行をし、弟の学費を工面しました。
戦時中は大阪へ疎開し、戦後は沖縄に戻り、アメリカの輸入菓子を扱いました。
後に二代目を継ぐことになった弟は軍でコックをしていたのでそこから小麦粉を仕入れ、菓子作りを再開。
その頃は今も大人気の「こんぺん」をはじめ「白まんじゅう」「花ぼうろ」の3種でした。
弟の代から2001年には創業者の次男、そして2012年には東京から戻った四男が店を継ぎました。
菓子職人になることは考えず、東京で働いていた四男は、戻ったからには本格的にやりたいと、調理師専門学校に通うことを決意。そのために退職していた新垣さんを呼び戻しました。
現在、その四男と今年80才になる新垣さんはまだ菓子作りを続けております。
お菓子同様、ほっこりしたお話ですね。
ポイント2:『南島製菓』の看板お菓子「こんぺん」とは?
『南島製菓』には、創業当時からある「こんぺん」というお菓子があります。いったいどんなお菓子なのでしょうか?
「こんぺん」は沖縄の方言では「くんぴん」といい、琉球王朝時代に来客や外交にも使われた、由緒正しいお菓子の名前で、ここ南島製菓ではそのままネーミングに使っているのです。
ここ南島製菓では、本来の伝統的な作り方にのっとって、創業当時より同じレシピで、煎り白ごまと県産黒糖を使用しています。
「ごまの旨味と黒糖が絶妙にマッチしている!」と若い人にも大人気。この店の看板メニューとなり、ロングセラーとなっています。
ちなみに沖縄のこんぺんファンは「クンペニスト」と呼ばれているようですよ!
ポイント3:バラエティ豊か!『南島製菓』のその他のお菓子は?
『南島製菓』には「くんぺん」の他、とてもバラエティ豊かなお菓子があります。
創業当時からある白饅頭、花ぼうろ(花ぼうる)の他、ゆずまんじゅう、どら焼き、やぶれまんじゅうなどの饅頭類、お祝いの紅白饅頭やかるかん、お供え用の「盛菓子」、そして呼び戻された新垣さんの専門である、レモンケーキやバウムクーヘン、マドレーヌなどの洋菓子までが売られています。
空港や国際通りのお土産屋さんに売られている菓子とは一味違った「隠れた名琉球菓子」を探している方は、ちょっと覗いてみてはいかがでしょうか?
なお、通販サイトもオープンしたそうです。